VR活用事例

農業×VR

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農業におけるVRは、まだまだ未知数です。現在、第一次産業従事者数は減少の一途を辿り、高齢化も進む中、問題を解消出来るかも知れないと重要視されている技術がVRです。

日本の農業には、古い歴史があり、高い農業技術やノウハウがあります。近年では、後継者不足なども相成って、諸外国から日本に農業を学びに来る人々も多くなってきています。

VR技術を用いた仮想体験型教材などにより、今までに全く農業に携わったことのない人にとって、ノウハウを得るきっかけとなったり、情報共有をよりスムーズに行えたりする可能性があり、大いに期待されています。

ドローンによる遠隔管理システム、農業機械の自動運転シミュレーション、ビッグデータを利用した各種シミュレーション、クラウドによるモニタリングシステムなど、今後もVRとIoTを活用した農業ITを支援する取り組みがなされていくでしょう。

農業とVRはどのように紐づくのかについて、見ていきましょう。

日本初のVR収穫体験サービス「VRメロン狩り」

 2020年6月22日、茨城県鉾田市の農業法人深作農園有限会社は、VR空間での収穫体験を可能にした日本初の「VRメロン狩り」無料サービスを開始。

 新型コロナウイルスの影響などでメロン狩りに来られない方にも、産地でしか味わえない景色や雰囲気をVRで体験してほしいという想いから、生まれました。

https://smartagri-jp.com/images/upload/2020/06/da943786fae407ee5a6dde7650f186bc.jpg (引用元)

 深作農園は、国内有数のメロンの名産地の一つである茨城県鉾田市で事業を営む農業法人です。同農園の園主である深作勝己氏は、この地でおよそ100年以上に渡り農業を営んできた、深作家の6代目。

 農園では、メロンやイチゴ、トマト、サツマイモ、コメなどの生産を行いながら、生産品の直売所や自社養鶏場で採れた卵を使用したバウムクーヘンの専門店も展開し、2020年2月には、「第1回 日本さつまいもサミット」にて、べにはるかで「Farmers of the year」「SATSUMAIMO of the year」をW受賞した実績などがあります。

圃場へのバス移動から収穫まで、VRでリアル体験


VRメロン狩りでは、360度動画を活用したVR空間に、バス移動から栽培・収穫までが再現されている他、深作農園の深作氏が解説する収穫ポイントのレクチャーが受けられます。

バス移動の風景
https://smartagri-jp.com/images/upload/2020/06/ee745961a23ee2a02ea390c743707000.jpg (引用元)
メロンの収穫風景
https://smartagri-jp.com/images/upload/2020/06/6f63d772e12514b1558791e09e22e981.jpg (引用元)
深作氏による収穫ポイントの解説
https://smartagri-jp.com/images/upload/2020/06/5e3a49bd046d5a65950713c7599ef1a3.jpg (引用元)

 VRゴーグル、ヘッドマウントディスプレイによる3D視聴はもとより、スマートフォン等のデバイスによる通常動画での視聴が可能。アプリ等のダウンロードは一切必要なく、VR体験が楽しめます。

https://fukasaku.com/

塚田農場のアルバイト従業員の研修プログラムがVRに

 2017年7月より、居酒屋「塚田農場」を運営する、株式会社エー・ピーカンパニーは、居酒屋に足を運んで下さるお客様に対して、食材の魅力を伝える役割を十分に発揮してもらうため、正社員に行っていた自社養鶏場での研修をベースに、農場を疑似体験出来るVRを、アルバイト従業員の研修プログラムに採用しました。

https://agri.mynavi.jp/wp-content/uploads/2017/07/1003_Tsukada1.jpg (引用元)

6次産業のビジネスモデルと食材への理解

 「生産者とお客様をつなぐ居酒屋」塚田農場は、全国各地に自社養鶏場を所有。生産から販売までを行う6次産業の企業です。

 周辺の農家と直接提携しており、生産者の思いがつまった食材を届けることをモットーとしています。お客様と近いアルバイト従業員に対して、6次産業ビジネスモデル、食材や生産者への深い理解を得てもらうため、VRによる研修を導入しました。

養鶏場の様子から加工される現場をVR体験

https://agri.mynavi.jp/wp-content/uploads/2017/07/1003_Tsukada2.jpg (引用元)

 これまでに社員向けとして行われていた、宮崎県や鹿児島県などの現地で養鶏業や加工業を見学する研修を、アルバイト従業員にもその対象を拡大。今まで行っていた現地研修をベースに、VR研修でも地鶏農家の鶏舎や、ひよこのいるひなセンターの様子などを、リアリティあふれる動画、音声と共にVR体験が可能になりました。

想像でしかなかったことが、より身近に

 VR研修の対象者は、全国に約200の店舗を持つ、塚田農場のアルバイト従業員約5,000人。

 消費者に、素材の価値を伝える役割を担っていることを、アルバイト従業員に認識してもらうことを狙いとしているようです。

 現地研修は、会社の方針や現場への理解を深めてもらうために必須であるものの、大規模に行うとなれば、その分時間や費用なども発生します。それが、VRを活用することで、入社時期や店舗のある場所に関係なく、必要な時に研修を行うことが可能になります。

 加えて、実際に現場にいるような臨場感を感じられるVR研修であれば、ビデオ研修よりも、より実体験に近い感覚で、身近に感じてもらえるという利点が生まれます。

http://www.apcompany.jp/

農林水産省による、体験型VRコンテンツ

自動運転の田植機

 農林水産省では、農業従事者が減少傾向にある今、少しでも農業に興味、関心を持ってもらうことが大切との考えから、農業についての理解を深めてもらうことを目的とした、VR体験コンテンツの提供を行っています。

 VRでは、最新技術を導入している自動運転田植機を試乗します。農業の雰囲気を感じることができ、まるで実際に農業体験をしているかのような感覚を味わえます。

 農業を全く経験したことのない方、興味はあるものの機会がない、開発中の新型機械などは特に実物を見るのは難しいなど、VRなら疑問を解消し、不可能を可能にすることが出来るかも知れません。

まとめ

 日本文化と共に受け継いでいかなくてはならないのが、農業を始めとする古くから先人が培ってきた伝統や技術です。高齢化が進んで衰退して行くのをただ見過ごすのではなく、VRを始めとするデジタルを農業に活用することで、生産者の重労働をなくし狭小作地のデメリットを減らし、日本ならではのきめ細かく高品質な農業をさらなる発展へと繋げられる未来を期待しましょう。

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