VRニュース

公立小学校の特別支援学級で、初のVR授業の実証実施!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 株式会社ジョリーグッド(本社:東京都中央区)は、市川市立新浜小学校特別支援学級の3年生以上の生徒16名を対象に、同社のソーシャルスキルトレーニングVR「emou」(エモウ)を活用し、VR授業の実証を行いました。

 公立小学校の特別支援学級でVRを用いた実証は、国内初です。 

https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-443792-0.jpg (引用元)

 今まで、新浜小学校では、知的障害学級の児童に対し、ソーシャルスキルトレーニングを行う場合、ロールプレイや絵カードを活用していました。今後は、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、学校が突然休校になることも否定出来ません。

 児童の中には、知的障害による課題(想像力、社会性の欠如)から、学習スキルを日常生活に生かす上でハードルが高いと感じる子供がいました。対面でなくなれば、学習習得はさらに困難になり得る状況となり、行き届いた教育が出来るかどうかといった懸念が先生と生徒の双方に生まれます。

 そういった問題を払拭するべく、VRによるソーシャルスキルトレーニングを活用し、学習を試みる実証に至りました。どんな環境下であろうとも、児童の学びを止めない新しい形の学習実現を目指しています。

 児童は、自宅でVRゴーグルを装着するだけで場面を疑似体験することが出来るため、児童の社会スキルを学ぶ機会を止めず、よりリアルに近い場面で反復練習を行い、適切な行動の般化を目指すことが可能になります。

VRによる、教室での自己紹介。実際に発話して、自己紹介の練習をします。
https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-918297-10.jpg (引用元)
バーチャル空間では、クラスメイトの自己紹介を聞き、自らも自己紹介をします。
https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-388183-3.jpg (引用元)
児童1人1人に評価を伝え、コミュニケーションが苦手な児童には、より丁寧に評価を伝えます。
https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-775638-11.png (引用元)

 本実証は、障害特性として他者の顔に注目することが難しく、上手く他者に思いを伝えられないケースが多いことから、VRによるソーシャルスキルトレーニングを行うことで、他者と関わる際に顔を一定時間注視することが出来るようになるかどうかという点に重点が置かれています。

 児童16名を「コミュニケーションスキル高群」と「コミュニケーションスキル低群」の2グループに分け、日常生活のコミュニケーションにおいて、対象の注視を継続しやすい傾向にある児童を高群、その逆の注視が継続しにくい傾向の児童を低群としました。

 まず、クラスで自己紹介をするVRコンテンツを活用し、バーチャル空間のクラスメイトの前で自己紹介を体験練習します。発話し、練習する様子や、児童のバーチャル空間での視点の動きをリアルタイムで解析し、しっかりと対象を注視しているか、良かった点などを児童にすぐさまフィードバックしました。

VR空間内で練習した自己紹介を実践。コミュニケーション高群の児童の多くに、練習の成果が見えました。
https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-455519-1.jpg (引用元)
https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-598021-2.jpg (引用元)
VRの授業は楽しかったかという問いに、多くの児童が楽しかったと答えました。
https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-252159-6.jpg (引用元)
https://prtimes.jp/i/20924/109/resize/d20924-109-691977-7.jpg (引用元)

 実施の検証で得られた効果は、コミュニケーション高群の75%に改善が見られたことです。

 児童に評価を伝えた後、VRでの練習やフィードバックを踏まえ、ロールプレイを行いました。実証では、VR視聴前後で、対象を注視する継続時間を測定し、比較しています。

 結果は、高群の児童8名の内6名に改善が見られ、低群の児童にも37%の改善が見られました。低群の児童には、授業デザインの工夫や適正なVRコンテンツの選定などを行いながら、引き続き効果的なソーシャルスキルトレーニングを実施していきます。

 以下は、教師の感想です。

市川市立新浜小学校 特別支援学級 学年主任 伊勢太惇先生

 「VRをツールに、行動の般化を目指した授業デザインをしました。絵カードなどでは理解をするのが難しいことも、VRなら視聴ではなく体験になるので、場面を想像するのが難しい子たちへのアプローチが一番出来る。またVR体験中の視線データをリアルタイムで私たちが分析した後、すぐに子供たちに良かった点、悪かった点をフィードバックすることで、次のロールプレイの実践に活かすことが出来ると感じました。」

市川市立新浜小学校 特別支援学級 講師 谷口克樹先生

 「知らない人たちの前で話すということは、特別学級の児童たちにとってはどれだけ大変かと考えると、VRを使ったソーシャルスキルトレーニングの回数を重ねることで、子供たちは伸びていると感じています。人に対して伝えたい、僕の話を聞いてくれ、という表情も目線も日常生活の中でとても増えてきました。短い時間の中でも伸び代があったと思います。」

 教育におけるVRは、ただただ楽しいだけに留まらず、形として何か残る体験となります。VRでのSSTを重ねることで、児童の表情や目線にも変化が生まれます。

 本実証は、市川市立新浜小学校と、児童達が通う地域の放課後等デイサービスの公認心理師・臨床心理士の外川先生の協力のもと、授業内容の考案から体験後のフォローまで行われました。学校と施設が連携しながら療育を行う新しい取り組みでもあります。地域療育連携を進めながら、引き続きこれからも検証を行う予定とのことです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*