VR活用事例

最新の遠隔医療VR

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コロナ禍において、人々の移動に制限が課せられている今日。時間を気にすることなくいつでも自由に行きたい場所へ行ったり、学んだり、また複数人で集まるといったことなどが難しくなっています。そういった現状でも、一歩も二歩も先を見据えている医療の進歩には、目を見張るものがあります。

第5世代移動通信システムの到来により、今まで通信の問題で遅延が発生し、患者の命が危険にさらされることがあった場面において、こういったリスクを回避出来得ることとなり、医師、看護師不足が問題視される中、5Gは社会を変える希望の光と取り沙汰されています。

今回は、5GとVR技術の同時活用による遠隔医療、遠隔教育について見ていきましょう。

遠隔医療

 2019年8月27日、防衛医科大学校、KDDI株式会社(本社:東京都千代田区)、株式会社Synamon (本社:東京都品川区)は、第5世代移動通信システム「5G」とVRシステムを活用した災害医療対応支援の実証実験を、国内で初めて実施しました。

 360度カメラとVR、5G回線を使って、遠隔地からトリアージ(患者の重症度に基づき、治療の優先度を決定・選別すること)が可能かどうかというものです。

 あわせて、医療教育現場において、VRシステムを活用した遠隔教育に関する実証実験も行いました。

災害医療対応支援に関する実証実験

 災害時、可能な限り多数の傷病者の治療を行うためには、傷病者の緊急度や重症度に応じて優先順位を決定し、現場処置、病院選定、患者搬送を速やかに行うことが重要です。またそのような場面においては、災害現場、消防機関、医療機関などの機関は、適切に連携する必要があります。

 しかし、実際は、遠方の現場の状況把握は難しく、各機関の連携にあたっては、各機関の職員がそれぞれ顔を合わせてのコミュニケーションでなければ、意思疎通は困難であるのが実情です。

 災害医療対応支援に関する実証実験では、5Gの高速、大容量の特長を活用し、災害現場に高精細の360度カメラを設置。5Gを通じて映像をVR空間上に配信、投影し、VR空間内で医療従事者や消防機関が連携して、現場を指揮・支援するシステムを構築しました。

 通常の平面映像では、被災状況など災害の全体像を把握し辛いという課題がありましたが、今回、360度カメラを活用し、VR空間上で現場にいる職員と遠隔地にいる医療従事者などの専門家が双方向にコミュニケーションを行い連携することで、遠隔地からでも現場にいる職員に対して指示を出すことが可能となり、救命活動を円滑に進められることを確認しました。

リアルタイム遠隔医療教育に関する実証実験

 医療教育においては、教員の不足や基礎研究に資する設備が不十分などの課題があり、これら研究環境の整備が急務となっています。

 今回の取り組みでは、爆傷に対する治療技術を研究している防衛医大において、本研究のための日本で唯一の設備である「ブラストチューブ」に関して、5GとVRを組み合わせ、VR空間上での設備見学やディスカッションなどの双方向コミュニケーションに関する実証実験を実施しました。

 具体的には、本設備の設置場所に高精細の360度カメラを配置し、その映像を、5Gを通じてVR空間に配信、投影し、VR空間を遠隔地にいる複数の参加者が共有することで、集合が難しい場所でのバーチャル会議や高精細映像による遠隔からの設備視察などの有効性について確認も行いました。

遠隔教育

 株式会社VR Japan、コニカミノルタジャパン株式会社、株式会社NTTドコモは、2019年12月に行われた「ドコモ5Gオープンラボ®Yotsuya」での第5世代移動通信方式5Gを活用した共同実証実験にて、360°映像の大容量データを1秒以下という低遅延で配信することに成功しました。

 コニカミノルタジャパンが提供する高機能ネットワークカメラの360°撮影映像を、VR Japanが所有する低遅延VRリアルタイム配信システムを用いて、リアルタイムにVRヘッドマウントディスプレイに配信し、双方向のコミュニケーションを可能とする360°VRリアルタイム配信は、医療教育分野や建設現場安全管理分野などにおける様々な社会課題の解決、ソリューションとして期待されています。

 3社は、今後本ソリューションの更なる技術的な発展と実用化をめざし、2020年2月には、5Gとセキュリティを強化するための「ドコモオープンイノベーションクラウド™」を活用した共同実証実験を実施します。

医療業界向けの遠隔教育ソリューション

 少子高齢社会を迎える今後の日本の医療現場においては、患者の増加と医師不足が懸念されています。遠隔地にいる地域医療の最前線に立つ医師が、医療を効率的に学ぶ環境が必要となっており、技術を有している医師の指導を受けられる効果的な医療教育を実施出来る体制は、無医地区や地域医師不足の解決になると言えます。

 本ソリューションでは視聴する側が自由視点で見たい場所を見ることや、360°VR映像上に手元をクローズアップした映像や診断画像などを同時に映し出すピクチャインピクチャの技術を利用して、視聴する側が視点を大きくずらすことなく超音波診断装置や画像診断ワークステーションなどに表示される映像を一度に見ることができ、また双方向での会話も可能となっています。

 これにより遠隔地の医師は経験値のある医師が、あたかも目の前にいるかのように、画像確認や診断行為などの複数で複雑な医療技術を1つの映像で直感的に見て、医師の技術指導を受けられるようになることが期待出来ます。

建設現場の遠隔監視ソリューション

 建設現場では、労働災害を防止するための措置が最も重要であり、建設現場で働く人の安全と健康を確保し快適な職場の形成が求められています。本ソリューションは、堅牢、防水、防じん性能を備えるMOBOTIXの360°の撮影映像をリアルタイムにVRヘッドマウントディスプレイへ配信出来るため、監視センターから現場の状況をリアルタイムで監視しながら、現場とコミュニケーションを行うことが可能です。

 労働力不足が懸念される建設業界においては、安全管理の技術を有する人材の確保がますます難しくなることが想定されているため、これまでは人が監視、もしくは一方向のカメラによって監視していた現場を、本ソリューションおよびMOBOTIXの機能(解析、検知、通報)によって、より頻度高く、より詳細に、より広範囲に監視することが可能になり、安全管理への寄与が期待されています。

https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M104717/202001155729/_prw_PI4im_1dBWL3XN.jpg (引用元)

 本ソリューションは、2020年1月23日(木)から1月24日(金)まで、東京ビッグサイトで開催するドコモのイベント「DOCOMO Open House 2020」に展示されました。

 今後3社は、360°のVR映像のリアルタイム配信と双方向コミュニケーションのさらなる技術向上の実現と実用化をめざし、社会課題の解決に取り組む予定。

 日本にも、遠隔医療へのAR、VRの導入の波は、すぐそこまで来ています。

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